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カラーマーケティングと近年心理学者のカラーの持つ効果の検証

■色は1800年代の後半から工場で関心をもたれた(色彩戦略が生まれる)

当時の経営者たちは機械を目立たせるために色を用いた。ブルックリンの宝石工場のエンジンは光沢のある黒で塗られ,金箔のしまで飾ってある。「とんでもない贅沢なのだろうか?」ところがそうではない。技師は2台の高貴な機械に責任を感じて、そのことを無上の幸福としている。(Loquial、1891年)

人工照明が工場で普及しはじめた1890年頃,管理者たちは内装に明るい色を用いはじめた。その一般的な理由は,彼らが明るい色は士気や生産性を高めると信じていたからである。 (その当時、士気と生産性は密接な関係があるだけでなく、環境とも関係があると考えられていた。) 多くの工場が「陰気でうっとうしくて、うす汚れた納屋」であったのに、シカゴのマコーミック・ハーヴュスター・ワークス社は カラフルな環境であった。鉄製構造物は部屋ごとに別の色で塗り分けられていて、いずれも赤や青や黄色やグリーンといった 鮮やかな色である。そのように改善された状況で、正確さだけでなく仕事のすべての面が良くなった。 (Meakin,1905年)

工場への色の導入を促したもう1つの要因は「女性は気質的に色に対して非常に敏感である」から女性労働者には特別な処遇が必要なのだという考え方があった。さらに女性は「平均的男性を満足させる環境」にも直観的に反発すると思われていた。
(Lord,1917年)

1900年頃の心理学者たちは,赤のようなエキサイティングな色のもつ元気づけないし“動力発生的な”影響と、対比的な青や緑がもつと思われる鎮静効果を指摘しはじめた。オレンジのような暖かい色は温度知覚に実際に影響を及ぼすと信じたし、また色彩構成によって部屋の大きさの知覚に影響することができると考えた。
(Munsterberg,1915年)

産業界では、色がモラールや意気込みを高めるだけでなく、生産性や勤労者精神や設備の改善に役立つ。色は疲労や事故や欠勤を減らすことができる。
(Draeger,1977年)

いくつかの工場ではきわめて特殊な目的のために色を用いた。たとえばオクラホマ市のジェネラル・モーターズ工場である。構内の複雑さからの圧迫感を減らすために、ジェネラル・モーターズは乱雑に広がった設備を8つの色の領域に区分した。別の工場では多様な生産区域を識別するために色を用い、そして「環境のグラフィック」が訪問者に方向を示している。
(Most,1981年)

■初期の色の心理学研究は“色の感情価”に焦点が当てられた

初期の色の心理学研究は,赤や緑や青のような異なる色相の好みとして捉える“色の感情価”に焦点が当てられた。(McCormickの1976年の“色相”の論議参照)ある研究では1,000人以上の大学生に色相の異なる小さな四角い厚紙片のペアを示してどちらの色が好きかを指示させた。各人が行った多数の比較の結果から、男性と女性の両方に支持されるはっきりした好みのパターンが明らかになった。彼らは青と赤を最も好み、続いて緑と紫を好んだ。オレンジと黄色を好む人は最も少なかった。
(Walton,Guilford&Guilford,1933年)

初期の研究はもっばら色相にだけ焦点を当てていた。しかしながら、1934年のある実験室研究では色相だけでなく彩度(色相の純度)と明度(明るさー光の反射量)が取り上げられた。彩度と明度をに保っと、青・赤・緑・紫・オレンジそして黄色という色相の好みが観察された。またより明るく鮮やかな色が好まれることが明らかになった。(たとえば同じ赤でも暗くて灰色がかった“温色の”色合いよりも,明るく鮮やかな方が高い評価を得た)しかしながら、色相の方が明度や彩度よりも好みの決め手としては重要であった。

(Guilford,1934年)アイゼンク(Eysenck、1941年)はそれまでに公表された色の好みについての研究を分析し、それに21,000人以上のデータを結合した。その結果、ギルフォード(Guilford)が報告していた青・赤・緑・紫・オレンジそして黄色という順位づけが得られた。この研究では人種の差も検討されていたが差は見出せなかった。てみましょう。

色の明るさと彩度の影響の点では、「マンセルのカラーブック」にもとづく300種類以上の色を評価した後の研究でも、本質的には以前と同じ結果が見出された。つまり明るさが増すにつれて好みも増し、また色の鮮やかさが増すにつれて好みが増した。316色のそれぞれについての平均的な“感情価”を示す精巧なチャートをつくった
(Guilford&Smith,1959年)

別の研究からは,組み合わせをつくっている色の“感情価”から色の組み合わせの好みがかなり予想できることが示唆されてる。(E.C.Allen&Guilford,1936年)

BOSTIの調査は、21カ所のオフィス従業員1,097人を対象とした予備調査のなかで、彼らが育と緑という実験室で最も高くランクづけされたのと同じ色相のいくつかを好むことを報告した。
(BOSTI,1980年)

赤と青の連想を質問して,赤は幸福を,青は落ち着きと品位を意味すると結論した
(Hevner,1935年)

別の研究では44人の評価者が、10種類の色相を11段階の「ムード・トーン」にもとづいてそれぞれ判定した。
(Schaie,1961年)

■色と温度の関連も研究が進められた

色相別に連想される意味は同じではなかったが共通性もある。赤・オレンジ・黄色からの連想はエネルギッシュになりがちであり、青と緑からの連想は比較的静かなものである。(Sharpe,1974年)この差異は「暖色」対「寒色」というおそらく最も一貫した連想に沿ったものである。「暖かい」色相には,赤・オレンジそして時々黄色が含まれ「冷たい」色相には青と時々緑が含まれる。
(Birren,1968年)

色と温度の関連も研究されている。人々にさまぎまな色相のカードを示し、見た感じの暖かさ、冷たさの評定を求めるのである。ある研究は赤に対しては暖かい評価、黄色から緑と青を経て紫までの色相範囲には冷たい評価がなされることを見出した。反応の説明に際して、温度感覚を生じさせる状態として典型的に述べられたのは「赤い石炭、鋼鉄のように冷たい青、灰緑の海の冷たさ」というようなことである。
(Newhall,1941年;Wright,1962年)

「暖かさ一冷たさ」という連想は18歳以上の被験者についてだけ信頼できるという米国の研究で示唆されているように、この連想が学習されるものであることは明らかである。
(G・A・Morgan,Goodson&Jones,1975年)

オフィスと工場の実例は,暖色と寒色が温度知覚の差異を引き起こすことを示唆している。ニューイングランドの保険会社で、管理者がくすんだとび色のオフィスの配色を、青のきわだった涼しげでくつろいだ感じに変えた。このオフィスは8月に塗り変えられた。冬がきたとき、従業員たちは涼しく感じすぎると苦情をいった。このオフィスは通常21℃に推持されていた。苦情が続いて24℃まで引き上げられたが従業月たちは依然として寒がった。討議と研究が重ねられた後、配色が暖かい黄色と安らかな緑に変えられた。気温は24℃のままであった。すぐに従業員たちは暑すぎるといって抗議した。温度がもとの21℃に引き下げられたとき苦情は収まった。
(Wylie,1958年)

「ある銀行はオフィスを明るい青に塗れば夏の暑さへの苦情が減ることを見出した」
(Robichaud,1958年)

また、中西部の大きなオフィス・ビルの食堂が明るい青に塗りかえられたとき、従業員たちは冷え冷えすると苦情を言いはじめ女性従業員は昼食時に上着を着はじめた。実際には食堂での温度に違いはなかった。オフィス・ビルの暖房技師は前と同様に室温を定温22℃に保っていた。そこで壁が再びオレンジ色に塗り変えられ,椅子にオレンジのカバーが取り付けられた。この冷たい部屋についての苦情はもはやでなかった。夏がくるまでは・・・。
(Wylie,1958年)

もしも工場の環境の配色が寒すぎたり暖かすぎたりすると、トラブルが心理的に発生する。もし寒すぎて面積が広ければ、秋・冬・春には暖かさを求める極端な要求が起こるであろう。そのようなバランスが欠けると単調さを導き、環境と設備への軽硯を生ずる。著すぎる配色は不快といらだちを生むであろう。
(McCullough,1969年)

■スペースを知覚する「進出色」と「後退色」も研究が進められた

工場では、スペース内の何らかの工程が強力な熟を発生するならば、スペースの大きさにかかわらず、その熟に耐える労働者を心理的に援助するために壁を涼しい色に塗るべきである。同時に、極度に寒い領域では壁に暖かい色調が用いられるべきである。
(Halse,1968年)

ある程度一貫して示されてきた知覚に及ぼす色の影響の1つは、部屋の「開放性」に関するものである。明るい色は暗い色にくらべて明らかに部屋を開放的で大きく見せる。ある研究は、暗い緑、明るい緑および白に塗り分けた同じ大きさの3室を評価させてこの効果を見出した。白い部屋は最も開放的に、暗い部屋は最も閉鎖的に評定された。この研究者たちはミニチュア・ルームの評定でも同じ結果を見出している。
(Acking&Kuller,1972年)

明るさと見かけの開放感の関連もミニチュア・ルームの研究(Baum & Davis,1976年)と寮の部屋の研究(Schiffen−bauer,Brown,Perry,Schulack&Zanzola,1977年)で明らかになった。

部屋を知覚する際の色のもう1つの効果は「進出色」と「後退色」に関するものである。暖色は知覚者の方へ動くように思えるが、寒色は遠ざかるように見える。したがって青い面は実際よりも見る人から遠くに見え,赤い面はより近くに見える。(Birren,1968年)

長くて狭い部屋は、突き当たりの壁を焦げ茶やくり色のような進出色で暗く塗れば視覚的に短くなって、作業台からロッカールームまでの距維が実際より近く見えるかもしれない。逆に、小さな部屋を大きな空間に見せることもできよう。そうすれば、涼しくて明るい色調を用いて、室内の従業員に混雑感を与えないであろう。
(Garnsey,1948年)

われわれの意志衝動は、周囲が青色のときよりも赤色のときの方がはるかに効果的である。赤色はわれわれの心と頭をより力強い意志行為へとかきたてる。これを専門用語では「動力発生的影響」という。多数の遠心力染色機を備えた大きな紡績工場主は、ほとんどの仕事が赤染と黒染であると述べ、従業員が黒い染料を扱うときは常に仕事が滞り、赤い染料のときは決して滞らないことに驚きを示している。
(Munsterberg,1915年)

オレンジ色には刺激する効果があるので、普段はあまりたくさん使わない方がよい。たとえば、オレンジ色の部屋の住人は、すぐ落ち着かなくなって機会あるごとに席をはずすであろう。
(Halse,1968年)

「青色に囲まれていないと家でもオフィスでも落ち着いて仕事」ができなくなった2人の大会社社長の例を紹介している。(Davison,1918年)

「普通以上に視覚と精神の集中を必要とする座業には」涼しい色がベストであると助言している。(Birren,1968年)

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以上のように近年の心理学者の色の持つ効果の検証の一部分をご紹介致しました。 カラーは身じかにあって私たちにとても沢山の事をおしゃべりしています。そして、それが聞こえない人でも大きくその影響を受けているのです。普段私たちが呼吸することを意識しないでも生きているように・・・しかし、呼吸法は健康にも大きく影響していることはご存知のとおりです。カラーのヒミツを少しでも知って大きなビジネスチャンスにいかして下さい。

 
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